ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

娘の遺志継ぎベトナムに小学校開校、父親が再訪

2019/07/07 05:47 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

 淳子さんは日記にこう記していた。「今までたくさんの場所を旅行したが、ベトナムほど特別な感情がわいた場所は他にない。この地の人々、通りや裏道からも、温かさや喜びが感じられた。日本に帰ってきて、私の心はベトナムに戻り、彼らのより良い暮らしのために何か役に立ちたいとただ願っている。多くの子供たちはとても貧しく、カニを捕まえ巻貝を捕りに行かなければならず、その上で学校にも行っている…」。

 淳子さんの両親は、娘の死を前にしてたくさん泣いた。ほんの数日で廣太郎さんは弱り果てた。廣太郎さんは、淳子さんとスキーをしに行ったり、淳子さんの米国留学中にホッケーの試合を観に行ったり、淳子さんが金メダルを獲ったゴルフの試合を観に行ったりする時間がなかったことを後悔していた。廣太郎さんが唯一持っている淳子さんの写真は、淳子さんが大学の友人と映っているものだった。

 「淳子の父親のような強い男性が、あんなにも弱気になるのを初めて見ました。彼は1週間余り、ただお酒を飲み、淳子の日記を何度も何度も読み返していました」と淳子さんの母親は語った。

 しかし、悲しみの数日間の後、廣太郎さんはきっちりとスーツを着て、会社に復帰した。会社は発展の初期段階にあり、従業員の信頼を失うわけにはいかなかった。ストレスを感じるたび、廣太郎さんは淳子さんが贈ってくれたスキー用の手袋を眺めた。

 「私たち夫婦が外を歩いていて、日本に留学しているベトナム人女性を見かけたとき、夫は淳子を思い出して子供のように泣き出しました」と淳子さんの母親は振り返る。そしてこのころ、廣太郎さんは娘の遺志を継いでベトナムに学校を建てようと思うようになった。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 05:00 19/06/2019, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミン:サイゴン川の歩道橋が着工、26年4月末完成予定 (13:52)

 ホーチミン市人民委員会は3月29日、同市を流れるサイゴン川に架かる歩道橋の着工式を開催した。  地場乳業メーカー大手ヌティフード(NutiFood)が、建設資金約1兆VND(約59億2000万円)を援助した。歩道橋は20...

クオン国家主席、訪越のベルギー国王陛下と会見 (6:30)

 ルオン・クオン国家主席は国家主席府で1日午前、ベトナムを公式訪問中のベルギーのフィリップ国王陛下と会見した。フィリップ国王陛下は3月31日から4月4日までの日程でベトナムに滞在している。  両国が197...

はしかの再流行に警戒、ワクチン接種率低下が原因か (6:06)

 保健省によると、今年に入ってから麻疹(はしか)の流行が始まり、これまでに4万2000人以上の感染疑いが報告され、6人の死亡が確認された。  感染者の大半は生後9か月から15歳未満の子供で、その多くがワクチ...

ホーチミン、花の少ない13本の「花通り」 (3/30)

 ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない13本の通りが集まっている。これらの通りは様々な種類の花の名前にちなんで名付けられており、碁盤の目のよ...

ビンファスト、電動の軽トラックとミニバスをお披露目へ (5:39)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は、年内に電動軽トラックと電動ミニバスをお披露目する予

ダナン博物館、ハン川沿いに移転オープン (5:01)

 南中部沿岸地方ダナン市人民委員会は3月28日、バクダン(Bach Dang)通り42番地の施設改修・拡張による「ダナン博物館」整備プロジェクトの落成式を開催した。    投資総額は5040億VND(約29億3000万円)...

JICAとATグループ、ベトナムで自動車整備人財育成事業を開始 (4:20)

 国際協力機構(JICA)中部と株式会社ATグループ(愛知県名古屋市)は3月28日、JICA草の根技術協力事業「ベトナム国自動車整備人財育成プロジェクト(草の根協力支援型)」に係る契約を締結した。  近年、ベトナム...

ENEOS Xplora、ベトナム沖15-2鉱区の新たな生産分与契約締結 (3:05)

 ENEOS Xplora株式会社(東京都千代田区、旧社名:JX石油開発株式会社)は3月25日、同社が100%出資する日本ベトナム石油株式会社(東京都千代田区)を通じて操業主体(オペレーター)を務めるベトナム沖15-2鉱区にお...

3月製造業景況感PMI、4か月ぶり50超え (2:49)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2025年3月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は50.5となり、前月の49.8から+0.7ポイント上昇した。  PMIは、50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る...

過去1世紀にベトナムで発生した地震、最大はM6.8 (1日)

 ベトナムは、日本やインドネシアのような環太平洋火山帯に位置する国々と比べて、地震発生のリスクは低いとされている。ただし、ディエンビエン・ムオンライ断層帯やソンマー・トゥアンザオ・ライチャウ断層帯...

FPT傘下企業、ハノイに半導体インキュベーションセンター開設 (1日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)傘下のFPTソフトウェア(FPT Software)の半導体チップ製造子会社FPTセミコンダクター(FPT Semiconductor)はハノイ市で28日、計画

南北高速鉄道プロジェクト、26年12月着工目指す チン首相 (1日)

 ファム・ミン・チン首相は29日、鉄道分野の国家重点プロジェクト指導委員会の会議を主宰した。首相はこの席で、鉄道産業における技術習得やエコシステム構築の重要性を改めて主張し、特に南北高速鉄道プロジェ...

ベトナム観光協会、韓国事務所を開設 持続的な観光客誘致へ (1日)

 ベトナム観光協会(VITA)は、持続的な韓国人観光客誘致を目的として、4月中に韓国のソウル市に韓国事務所を開設する。  韓国事務所では、韓国の旅行業界に向けてベトナム観光に関する最新情報を提供するほか...

ベトジェットエア、ドンホイ~台北間のチャーター便を就航 (1日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は31日、北中部地方クアンビン省のドンホイ空港と台湾桃園国際空港(台北)を結ぶ国際チャーター便を就航した。

中国の厦門航空、福州~ハノイ線を就航 (1日)

 中国の厦門航空(Xiamen Airlines)は30日、中国・福建省福州市とハノイ市を結ぶ新路線を就航した。  新路線は週4便(月・水・金・日)の往復便で運航する。飛行時間は1時間35分。機材はボーイング737-800型機...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved