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ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない13本の通りが集まっている。これらの通りは様々な種類の花の名前にちなんで名付けられており、碁盤の目のように交差し、市内中心部に平穏で緑豊かな空間を作り出している。
13本の通り名は、◇ホアラン(Hoa Lan):ラン、◇ホアスー(Hoa Su):プルメリア、◇ホアフオン(Hoa Phuong):ホウオウボク(カエンジュ)、◇ホアカウ(Hoa Cau):ビンロウ、◇ホアクック(Hoa Cuc):キク、◇ホアフエ(Hoa Hue):チューベローズ(ゲッカコウ)、◇ホアダオ(Hoa Dao):モモ、◇ホアマイ(Hoa Mai):オクナ・インテゲーリマ(ミッキーマウスの木)、◇ホアライ(Hoa Lai):ジャスミン、◇ホアスア(Hoa Sua):ジタノキ、◇ホアティ(Hoa Thi):カキノキ、◇ホアザイ(Hoa Giay):ブーゲンビリア、◇ホアチャー(Hoa Tra):ツバキだ。
ベトナムの通り名といえば、歴史上の人物や出来事にちなんだものが多いが、フーニュアン区では花の名前にちなんで名付けられたこの「花通り」が真新しさを生み出し、ホーチミン市の色彩豊かな美しさをさらに彩っている。
多くの文献によれば、フーニュアン区の「花通り」はフランス植民地時代の末期に形成された。このエリアには、庭付き一戸建てや豪華な複数階建ての住宅が数多く立ち並び、緑の木々が日陰を作っている。また、高級なレストランやホテル、カフェ、美容サロンなども集まっている。
どの通りも見た目は似通っており、行き止まりもたくさんある。地図を見ると、13本の中で最も長い通りはホアラン通りで、全長約650mだ。一方、ホアライ通りは最も短く、40mほどしかない。ホアライ通りはホーチミン市で最も短い通りの1つでもある。
地元の人々によれば、これらの通りの名前の並びに法則はなく、何らかの順番や基準に従っているわけではないという。他のところから来た人はもちろんのこと、ここに長く暮らしている人ですら、ときどき道に迷ってしまう。しかし、その法則のなさもまた、他のところではなかなか見られないユニークな特徴を作り出している。