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- ベトナム史上最大の地震はM6.8
- 1935年にディエンビエン盆地で発生
- 同省では1983年にもM6.7の地震
ベトナムは、日本やインドネシアのような環太平洋火山帯に位置する国々と比べて、地震発生のリスクは低いとされている。ただし、ディエンビエン・ムオンライ断層帯やソンマー・トゥアンザオ・ライチャウ断層帯が存在するベトナム西北部地方は、全国で地震活動が最も活発な地域となっている。
記録によると、ベトナム史上最大の地震は、1935年にディエンビエン盆地で発生したマグニチュード6.8の地震だが、この地震に関する被害の詳細な記録は残されていない。
1983年には、西北部地方ディエンビエン省トゥアンザオ郡(huyen Tuan Giao)でマグニチュード6.7の地震が発生。さらに、2001年には同省ディエンビエンフー市でマグニチュード5.3の地震が発生して、約2100億VND(約12億円)の被害をもたらした。
2020年には、同地方ソンラ省モックチャウ郡(huyen Moc Chau)でマグニチュード5.3の地震が発生し、多くの建物が損壊。また同年には、同地方ライチャウ省ムオンテー郡(huyen Muong Te)でもマグニチュード4.9の地震が発生している。
西北部地方以外では、2019年に東北部地方カオバン省チュンカイン郡(huyen Trung Khanh)でマグニチュード5.4の地震が発生し、住民の家屋に大きな被害をもたらした。震源地周辺では泉が干上がり、水源が枯渇した。
また、中部沖合の経度109-110度断層帯では、1923年にブンタウ~ファンティエット海域でマグニチュード6.1の地震が発生。2011年には、フーイエン沖合でもマグニチュード5.1の地震が記録されている。
このほか国内では、貯水ダムによる誘発地震の懸念も高まっている。南中部沿岸地方クアンナム省第2ソンチャイン水力発電所では過去10年余りにわたり、数千回もの地震が観測されており、その中で最大規模のものはマグニチュード4.7の地震となっている。南中部高原地方コントゥム省コンプロン郡(huyen Kon Plong)では、過去4年間で数百回の地震が発生し、2024年7月にはマグニチュード5.0の地震が発生した。
またハノイ市では、2024年3月にミードゥック郡でマグニチュード4.0の地震が発生して、高層マンションなどにいた市民が揺れを感じたと報告。しかし、紅河・チャイ川断層帯は静穏期にあるため、地震リスクは低いと見られている。