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南中部沿岸地方クアンナム省タンビン郡ビンダオ村で「カオ・フウ・ベト」とたずねれば、その名を知らない人はいない。
カオ・フウ・ベトさん(男性・1990年生まれ)は、タニシ(リンゴガイ科の巻貝)の養殖で成功した、元ITエンジニアだ。
故郷に帰って起業してから4年余りが経った現在、ベトさんは繁殖池22面と、面積約6000m2の養殖池を保有している。毎年、タニシの養殖で得る利益は、5億VND(約300万円)近くに上る。
ベトさんは農家に生まれ、幼いころから養殖にもなじみがあったと話す。ベトさんは、2014年に南中部沿岸地方ダナン市のドンアー大学を卒業した後、情報技術エンジニアとしてダナン市のIT企業に就職し、かなりの高給をもらっていた。
しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で職を失い、家族の生活が苦しくなった。
行き詰まったベトさんはふと、かつてクアンナム省ホイアン市を訪れたときに食べたタニシ料理がとても美味しく、一緒に行った仲間たちも大絶賛だったことを思い出した。話を聞いてみると、名物であるこのタニシを中部で養殖している人は少なく、入手がとても困難だということだった。
「野生のタニシはもうそれほど多く生息していない一方、市場の需要はかなり大きく、飲み屋からレストランまで、あらゆる店が潜在的な顧客です。これは絶好のチャンスだと思い、チャレンジしてみることにしました」とベトさんは語る。
しかしながら、ITエンジニアを辞めて故郷に帰って起業することにしたベトさんは、家族の反対にあった。家族は何度もベトさんを思いとどまらせようとしたが失敗に終わり、皆やむなく「運命に従う」しかなかった。