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ミンさんはその後、時々バイクタクシーでガンさんの店まで遊びに行くようになり、ガンさんが旅行に行く時にはガンさんの子供たちの世話を手伝うようになった。
ある時、同じように火傷を負った友人に手術を受けさせるため、2人で友人を病院に連れて行った。用が済むとガンさんは他の人としばらく会話をしていたが、その間、ミンさんはガンさんの隣にずっと座っていた。そしてふと、「え、もう用も済んだのに、どうして帰らないの?」とガンさんが驚いて尋ねた。
ミンさんはそれを聞いてただ笑うしかなく、何も言わずにガンさんの隣に2時間座っていた。「その時、僕はガンさんのことが好きだと気づいていましたが、火傷のせいで自分1人では生活できない状態だったので、あえて自分の気持ちは伝えませんでした」とミンさん。
一方、ガンさんにとってミンさんは良き弟のような存在だったため、ミンさんに別の女性を紹介したこともあった。ガンさんはミンさんが悲しい気持ちで閉じこもる日々を過ごす代わりに、前向きに生活が送れるよう、関節を動かすための運動をするよういつも励ましていた。
2021年の半ば、ホーチミン市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大した時期に、ガンさんと2人の息子は感染を避けるため故郷のフーイエン省に戻った。田舎でミンさんとビデオ通話で会話したときに、ミンさんがハンモックの上で横になっているのを見たガンさんは「またそこにいるの!」と叫び、ミンさんは慌てて起き上がった。
ガンさんの子供たちがそのビデオ通話の様子を見ながら「ミンおじさんはお母さんのことが本当に好きなんだと思う。お母さんが言うことは何でも聞いているもん」とガンさんに伝えた。ガンさんはすかさず、「お母さんは今、あなたたちのことだけでも大変なのに、ミンおじさんのことまで気にかけられないわよ。おじさんはバイクの運転もできないでしょ。お母さんはどこに行くにも3人の男性をバイクに乗せないといけなくなるのよ」と返した。ミンさんはただ笑って、ガンさんに「早くホーチミン市に戻っておいで」と言った。
新型コロナの感染状況が一旦落ち着いた2022年のテトの頃に、ガンさんと2人の息子はホーチミン市に戻ることにした。同様に市外からたくさんの人が戻り始めると予想したガンさんは、混雑を避けるためにテト前にホーチミン市に戻った。
さらに半年以上クローズしている自身の仕立て屋も気がかりだった。「その時にホーチミン市に戻ったのはミンさんのためでは全くありませんでしたが、彼が私に好意を持っていることには気づいていました」とガンさん。
ガンさんが到着するとすぐにミンさんが現れ、ガンさんと子どもたちと一緒に店の床掃除や修繕を手伝った。市場に行こうとガンさんがバイクに乗ると、ミンさんが「乗せて行ってあげるよ」とやってきた。「あんた、どこに行くか知っていて乗せて行ってあげるなんて言っているの?」とガンさんが驚いて尋ねると、ミンさんは「もちろん」と答え、自らバイクを運転してガンさんを市場に連れて行った。