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しかし、収入を増やす方法を考える中で、チャムさんは「一生を人に頼って生きることはできない」と、自分の足を使ってカミソリを切り分ける練習を始めることに決めた。初めの頃は足にカミソリを挟むたびに出血し、自分を傷つけているように感じていたというチャムさんだが、1年以上かけて自分の足でカミソリを切り分けられるようになった。
そんな中、チャムさんは自分が新しい身体に適用しようと努力すればするほど、夫は自分から遠ざかっていることに気づいた。チャムさんは夫に髪を切らせて欲しいと申し出たことがあるが、すぐに拒絶された。何度かの口論の末に夫はしばらく家を出て行った。チャムさんは2度自殺を図ったが、2度とも子供たちに引き止められた。
「トラックの下敷きになって片腕を失ったことを思い出し、あの時死ななかったのだから、価値のない男のために死んでたまるものか」とチャムさんは離婚を決意した。チャムさんと子供たちは引っ越し、ホーチミン市2区タオディエン街区グエンクー(Nguyen Cu)通りに小さな土地を借りて店を開いた。
タオディエン街区に住むミー・ズエンさん(女性・27歳)は、チャムさんの店についてこう語る。「チャムさんが長いこと片腕でカットしているのは知っていましたが、技術がどれほどなのかわからなかったので、おかしな髪型になってしまうのではないかと心配でした。最近チャムさんのお店に行きましたが、彼女のバリカン裁きは今までに経験したことがないほど見事で、素早くきれいにカットしてもらえました」。
現在、シングルマザーのチャムさんはこの店の収入で家賃と2人の子供の養育費を賄っており、もはや過去を悲しむことはない。ただ、チャムさんが悲しいことといえば、もう何年も子供たちを連れて遊びに行けていないことだ。バイクタクシーの交通費を気にして、いつも家の近所で過ごしている。
9歳になるチャムさんの息子は、母親が片腕しかないことを学校でからかわれたことがある。息子は3か月間考えた末、「僕は母さんを誇りに思っている。母さんは片腕しかないけれど、僕と姉を学校に通わせ、育ててくれているんだから」と友達に言い返した。
「息子は友達に言い返してから、初めて私にこのことを話してくれました。何か月もの間、友達からからかわれてもじっと耐えて、私にも教えなかったんです」と、チャムさんは眼鏡の奥で目を滲ませた。