(C) thanhnien 写真の拡大 |
(C) thanhnien 写真の拡大 |
「視覚障がい者は、不便ではあるが、不幸ではない」。社交ダンス講師のチャン・クオック・トゥーさん(男性・39歳)は、この特別な社交ダンス教室の講師と生徒の精神をこう語る。
2024年末のある日の14時ごろ、ホーチミン市1区にあるホーチミン市視覚障がい者協会のホールに、年内最後のクラスに参加するため、20人近い生徒が集まっていた。1週間ぶりの再会に、互いに会話が弾む。
クラスが始まると、生徒たちは約1m間隔に離れて立ち、準備運動を開始する。音楽とともに、トゥーさんのカウントやナビゲーション、指示の声が響く。
グエン・タン・タイさん(男性・47歳)は、クラスに参加するのはまだ2回目だが、その日のクラスを心待ちにしていて、ウォーミングアップのストレッチも躊躇なく行っていく。
「私はフリーの歌手なので、もっと色々な芸術を学びたいんです。ここでは音楽に身をゆだねることができ、虚しさを感じることもなくなりましたし、気晴らしにもなり、運動もできて多くの人と交流することができます」とタイさんは語る。
タイさんいわく、最初のクラスでは右も左もわからず、とにかく自分で自分を励ましていたという。講師の指示を注意深く聞き、自分の身体のあらゆる小さな動きを感じ取るようにした。