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タインさんは、1972年に学士号を取得した後、大学院に進学した。しかし、修士論文もほぼ完成に近づいていた1975年、指導教員が亡くなり、他の様々な事情も重なって、修士課程を終えることができなかった。
その後、タインさんは勉学を再開するつもりでいたものの、4人の幼い子供たちを残して妻が亡くなった。「妻が亡くなったとき、1番下の子はまだ1歳半でした。当時は生活も大変だったので、勉強という自分の夢はいったん脇に置いて、子供たちを育てなければなりませんでした」。今、子供たちは皆成功し、うち3人はタインさんと同じく教師になった。
家族の世話と子育てという大役を終えたタインさんは再び、学校に通って修士号を取得することを考えるようになった。子供たちも、大学院に進学するという父親の夢の実現を、いつも応援していた。
タインさんにとって、修士号の学位は教育や文化、芸術の創出や研究に大いに役立つ。「文化と芸術は、発展の要素があるとても豊かで幅広い分野です。だからこそ、勉強に勉強を重ね、生涯学び続けなければなりません。もちろん、今から勉強するのは遅いでしょう。でも、どんなに遅くても大変でも、目的地に到達することに意味があります。私の進んでゆく道はとても明確であり、私はこのスタンスを変えることはありません」。
タインさんは、修士号を取得した後、健康に問題がなければさらに博士号を取得するつもりだ。長いこと抱いてきた夢に向かって、これからも旅を続ける。