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4月はじめの午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区キムグウ(Kim Nguu)通りのカラオケ教室の4つのスタジオは、歌を習う生徒で満員だった。
マイクの前で、インストラクターの手振りに合わせて歌うのはキエンさん(男性・33歳)。男性歌手の有名な曲を温かい声で歌うが、どうしても外れてしまう。そのたびに先生が「1、2、3」と手を使い、足を使って修正する。
キエンさんは、マーケティングの仕事をしている関係から、接待で飲んだ後にお客さんとカラオケに行くことが多い。コロナ禍を経ても、大規模火災でカラオケ店が全国的に休業しても廃れることのない娯楽カラオケ。最近は喫茶店や自宅で楽しむ人が多いが、マイクとスピーカー、簡単なカラオケルームを備えたレストランなどもある。「お客さんのためにバンドを呼ぶこともあります。私はそこそこ歌える方なんですが、きちんと習って、みんなを驚かせたいんです」とキエンさんは、歌を習う理由を説明した。
北部紅河デルタ地方バクニン省農業農村開発局の職員であるチャウさん(女性・41歳)は、文芸活動が盛んな職場で、自身も歌うことが好きで何度もマイクを握ったが、どうしても高音が出せなかった。そこで最近はたびたび早退を申し出て、40kmの道のりを越えて歌の教室に通っている。「歌のレッスンが、ヨガよりこんなに大変だったなんて…」とチャウさん。
ひとつのコースを終えて、それなりの進歩を感じたものの、もっと上手くなりたいというチャウさんは、「お金が少しかかってもいいから、もっと早く上手になるコースを」と注文をつけて、次のコースに申し込んだ。