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2022年のテト(旧正月)の後、トアンさんは3人のいとこと一緒に仕事を探してホーチミン市に移り住んだ。初めて故郷を遠く離れ、外見のせいでどこにも雇ってもらえないのではないかとトアンさん自身もトアンさんの両親も心配していた。しかし、幸運にもビンタン区にあるプラスチック工場に採用され、毎日19時から翌朝7時まで1日12時間働き続けた。
「夜勤は大変で疲れますが、自分で働いてお金を稼いで、生計を立てられるようになったのはとても嬉しいですし、両親にも仕送りができるように頑張っています」とトアンさん。
トアンさんにとってホーチミン市は仕事をするところというだけでなく、本当の自分らしく生きることができる場所でもある。田舎で暮らしていたときはいつも自分を嫌い、心を閉ざしていたが、ホーチミン市に移り住んでからはオープンになり、自信を持てるようになり、たくさんの新しい友達もできた。
「ホーチミン市には社交的な人がたくさんいて、学ぶこともたくさんあります。本来は外交的で新しいことを探求するのが好きな性格なので、ここでは自分らしく過ごすことができています。同じような境遇の人たちと交流を持つことで、自分はラッキーな方なのだと知り、考え方も楽観的になりました」とトアンさんは語る。
トアンさんは収入の一部を趣味のファッションに充てている。好きなファッションに身を包んだ自身の写真をSNSにアップし、多くの人から褒められると嬉しいという。故郷を離れてからのトアンさんの性格と外見の変化に、トアンさんの両親や知人は驚かされている。今では自信を持ってモデルとしての写真を公開し、様々な活動に参加して自分自身についてもオープンに語っている。
トアンさんは、モデルとメイクアップアーティストになりたいという自分の夢について語るとき、少し恥ずかしそうな表情を見せた。「私は、過去の悲しみを捨て去る方法を学びました。大事なのは、現実に満足し、幸せを感じるということ。自分の外見の欠点すらも私らしさに変えて、輝いていきたいんです」と、トアンさんは教えてくれた。