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自分の外見に劣等感を抱きながら成長し、外見のせいでいじめや軽蔑的な扱いを受けてきたトアンさんは、高校1年生の時にうつ病になり、辛い時期を過ごした末に学校を中退することに決めた。
「正直なところ、火事を起こしたのは父で、すぐに治療を受けさせてもらえなかったことで家族に見捨てられたと感じ、両親をものすごく責め、恨んでいた時期もありました」とトアンさん。しかし成長し、悪意のある噂話や学校での精神的な暴力に耐える中で、両親だけがいつも自分を愛し、守ってくれていることに気づいた。そんな中で、トアンさんも自分自身を愛することを少しずつ学んでいった。
「今は考え方が変わりました。あの火事は誰も望んでいなかった不運な事故で、苦しい生活の中で両親も私の治療のために多くのことはできなかったのだと。数年前、整形手術のチャンスが得られるコンテストに参加しないかというスカウトの電話をもらった時には、母はお金を借りて私をハノイ市に連れて行ってくれたんです。コンテストでは優勝できなかったものの、その時に両親の気持ちをより深く知ることができました」とトアンさんは話す。
学校を中退した後、トアンさんはSNSに投稿する動画の撮影の練習を始めた。また、少しの商品を入荷して若者や知人向けにオンラインで販売してみるも、売り上げはわずかで、生計を立てるには十分でなかった。
トアンさんはファッションや美容に興味があったものの、家族の経済状況を知っていたため、母親に洋服代をねだることもできず、人からもらった古着をリメイクしていた。「誰ともかぶらない、独特で個性的な服が好きなんです。シンプルなシャツやスカートは自分好みにカットして組み合わせ、写真を撮ることが多いですね。田舎では『独特だね』とよく笑われますが、自分のファッションにはとても自信があります」。