(C) plo |
フィー・ロンくんの母方の祖母であるトゥーさんを訪ねると、父親のフィエンさんはトゥーさんのバイクを借りて4日間ほど出稼ぎに行っているとのことだった。間もなくしてフィエンさんが仕事先から帰ると、そのまま同じホハイ村のルオンカック村落(thon Luong Cach)にあるフィエンさんの実家に向かった。
フィエンさんはこう語った。「私たち夫婦はフィー・ロンとフィー・フンが生まれた後に2人の娘をもうけました。家計は苦しく、家も土地も仕事もなく、仕事になるような手段もありませんし、移動するにも家族のバイクを借りなければなりません。フィー・ロンは私の実家に、4歳の娘は妻の実家に預けて、1歳の娘は出稼ぎに行っている妻と一緒にダラット(南中部高原地方ラムドン省)にいて、数か月こちらには帰っていません」。
築40年近い古びた家で、フィー・ロンくんは父方の祖母の料理を手伝っていた。フィエンさんによると、フィー・ロンくんはとても活発で、友達にいたずらをしたり、教室でおしゃべりをしたりして学校の先生にしょっちゅう叱られているという。
両親は家を離れて出稼ぎに行き、父方の祖父も昨年交通事故で亡くなったため、家にはろう者である父方の祖母と、神経疾患を患っている伯父とフィー・ロンくんの3人しかいない。フィー・ロンくんには勉強を教えてくれる人がいないが、勉強もそこそここなし、今年小学2年生になった。
フィー・ロンくんは、7年前の大手術の後遺症で頭が少し傾いている。同級生に比べるとやせ型だが元気いっぱいで、学校から帰ると祖母の家事を手伝い、自立した生活を送っている。