中川:そして、2人でこの4年間の成長を技のような感じでみせたいよね、と。ダンスで仮面ライダーの変身ポーズのような部分があるのも、そういった思いからです。こうした構想ができて曲が完成したのが、今年の4月くらいです。MVも撮りたいとは思っていたのですが、撮るのであればクオリティの高いものを作りたいし…と思っていたら、カズが普段から仲良くしているVinect-Productionの浦さんが撮影と編集までしてくださって。MVの2面割の編集も彼の演出で、とても満足しています。
井手:基本的にはいつも2人で動画の撮影・編集を行っているので、MVも自分たちだけでとなるとどうしてもクオリティが落ちてしまって。前回の「Khong Hieu」もプロの方に作ってもらったのでどうしようかなと悩んでいたんですが、浦さんが協力しますよと言ってくださって、かなり良いものができ上がりました!ありがたいです。
―――おふたりが作詞を担当されたそうですが、どのように詞を決めていかれたのでしょうか?
井手:まず全体の流れをシンスケが書いてきて、そこから削ったり貼ったりの繰り返しです。曲調に合った声調のベトナム語の単語を探さないといけないので、ベトナム語の先生に何度も聞いてそれに合う言い方に変えてもらったり、その言い方で理解できるかどうかの確認もしました。
中川:やはり、1番意識したのは繰り返しのフレーズです。サビの繰り返しもそうですが、「Khi moi den Viet Nam(キーモイデンベトナム=ベトナムに来た時)」も繰り返しています。「ベトナムに来たばかりの時はこうだったけれど、今ではこうなったよ」ということを強く覚えてもらうため、あのように作詞しました。それと、英語字幕も入れることを想定していたので、外国人皆が思う「あるある」を入れていこう、と、外国人目線も意識しました。
―――レコーディングやMV撮影で大変だったこと、印象に残っていることを教えてください。
中川・井手:MV撮影の時の雨です。
中川:雨のシーンがあるんですが、あれは何度も撮りに行きました。雨季にも関わらず、僕らが撮影を予定している日がピーカンだったりして、何度もキャンセルになってしまったんです。あまりにも雨が降らないので、苦肉の策で水を被るだけの演出でも撮影してみましたが、それはボツになりました(笑)。エンドロールに、カズが水を被りながら逃げ回るNGシーンがあるので必見です。
井手:僕は晴れ男なんですが、こんな時にもバッチリ発揮してくれました。撮影日には降ってくれず、僕らが仕事でホーチミン市を離れたとたん、その日から毎日雨が降ったみたいです。水を被っての撮影は、濡れ損でした…。