[特集]
ベトナム住みます芸人「ダブルウィッシュ」が新曲発表!独占インタビュー
2019/10/13 05:00 JST更新
small>(※本記事はVIETJOベトナムニュースとベトナムエンタメ情報サイト「
A-TIM’s(エータイムズ) 」の合同取材によるものです。)
吉本興業が主導するアジア版「あなたの街に住みますプロジェクト」の芸人(住みますアジア芸人)としてベトナムで活動するお笑いコンビ「ダブルウィッシュ」。
ボケ担当の中川新介(シンスケ)さんとツッコミ担当の井手一博(カズ)さんの2人は、2015年6月にベトナムへ移住し、現地での活動を開始した。現在はベトナム語を活かしてベトナムのテレビ番組やイベントに出演するほか、
ユーチューブ(YouTube) で動画を公開するなど情報発信にも力を入れている。
ダブルウィッシュはこの9月に新曲「Nay Thanh Tho Dia(ナイタイントーディア=現地人になった)」のMVをYouTubeで公開した。この曲は、「もう俺たちゃネイティブベトナミーズ」をテーマに、ベトナムに来たばかりの頃と現地の生活にもすっかり慣れた現在とを比較しながら、ベトナム生活の面白さと奥深さを歌っている。
VIDEO
これに先立ち、「日本人独特のベトナム語の発音がなかなかベトナム人には通じない」という状況をユーモアたっぷりに表現した曲「Khong Hieu(コンヒエウ=わからない)」のMVの
第1弾 を2017年12月に、
第2弾 を2018年12月にそれぞれ公開している。
今回、約9か月ぶりに新曲を発表したダブルウィッシュの2人に、MVの見どころや制作秘話、今後の目標などについて話を聞いた。
―――ずばり、新曲の見どころ、ポイントを教えてください!
中川 :アップテンポな曲とサビの部分の歌詞「Nay Thanh Tho Dia」というフレーズとダンスです。皆さんに真似してほしいですね!ベトナムでもイベントの時に教えていますが、まだまだ浸透していません。読者の皆さんのご協力をお待ちしています(笑)。
井手 :昔は生活に慣れず驚くことや戸惑うことも多かったんですが、僕らがベトナムに住んで経験したこと、そして今じゃもう何でもこい!という成長を歌にしました。「自分も経験したことがある!」「まだここは慣れないんだよね…」など、共感してもらえたらなと思います。
―――どういった経緯で新曲をリリースすることになったのですか?
井手 :音楽を通してのほうがベトナムの人たちに僕らの体験や感じたことを伝えやすいのかなと思い、「Khong Hieu」に続く歌ネタを作りたいと思っていました。
中川 :ただ、前回の作曲は音楽ソフトを使ったこともあり、曲作りに関しては正直うまくいっていませんでした。そこで(所属している)吉本興業に相談したところ、楽曲を制作してくださることになりました。
井手 :吉本興業の方も「楽曲で困ったら相談してくれ!」と以前からおっしゃってくれていたので。ベトナムではアップテンポな曲だと踊りやすい、ノリのいいEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が流行っています、という感じで伝えて、かなりイメージ通りの曲を作ってくださいました。
中川 :そして、2人でこの4年間の成長を技のような感じでみせたいよね、と。ダンスで仮面ライダーの変身ポーズのような部分があるのも、そういった思いからです。こうした構想ができて曲が完成したのが、今年の4月くらいです。MVも撮りたいとは思っていたのですが、撮るのであればクオリティの高いものを作りたいし…と思っていたら、カズが普段から仲良くしているVinect-Productionの浦さんが撮影と編集までしてくださって。MVの2面割の編集も彼の演出で、とても満足しています。
井手 :基本的にはいつも2人で動画の撮影・編集を行っているので、MVも自分たちだけでとなるとどうしてもクオリティが落ちてしまって。前回の「Khong Hieu」もプロの方に作ってもらったのでどうしようかなと悩んでいたんですが、浦さんが協力しますよと言ってくださって、かなり良いものができ上がりました!ありがたいです。
―――おふたりが作詞を担当されたそうですが、どのように詞を決めていかれたのでしょうか?
井手 :まず全体の流れをシンスケが書いてきて、そこから削ったり貼ったりの繰り返しです。曲調に合った声調のベトナム語の単語を探さないといけないので、ベトナム語の先生に何度も聞いてそれに合う言い方に変えてもらったり、その言い方で理解できるかどうかの確認もしました。
中川 :やはり、1番意識したのは繰り返しのフレーズです。サビの繰り返しもそうですが、「Khi moi den Viet Nam(キーモイデンベトナム=ベトナムに来た時)」も繰り返しています。「ベトナムに来たばかりの時はこうだったけれど、今ではこうなったよ」ということを強く覚えてもらうため、あのように作詞しました。それと、英語字幕も入れることを想定していたので、外国人皆が思う「あるある」を入れていこう、と、外国人目線も意識しました。
―――レコーディングやMV撮影で大変だったこと、印象に残っていることを教えてください。
中川・井手 :MV撮影の時の雨です。
中川 :雨のシーンがあるんですが、あれは何度も撮りに行きました。雨季にも関わらず、僕らが撮影を予定している日がピーカンだったりして、何度もキャンセルになってしまったんです。あまりにも雨が降らないので、苦肉の策で水を被るだけの演出でも撮影してみましたが、それはボツになりました(笑)。エンドロールに、カズが水を被りながら逃げ回るNGシーンがあるので必見です。
井手 :僕は晴れ男なんですが、こんな時にもバッチリ発揮してくれました。撮影日には降ってくれず、僕らが仕事でホーチミン市を離れたとたん、その日から毎日雨が降ったみたいです。水を被っての撮影は、濡れ損でした…。
―――MV撮影の裏話を教えてください。
井手 :外で撮影をしていると、周りにいるベトナム人が興味を持って話しかけてくれるんですが、カメラが回っているときにも普通に話しかけてくるのでそのたびにやり直しになります。道が渡れないという僕のシーンの時なども、何人かのベトナム人が「今なら行けるよ!」とか、「こうやって渡るんだよ!」と僕の手を引っ張って一緒に渡ってくれたんですが、それで撮り直しになったりもしました。あと、シンスケ1人のシーンの時に、僕にマッサージの勧誘をしてきた人もいました。疲れて見えたんでしょう。やっぱり優しい人が多いんだなと感じました…。
中川 :これは本当に秘話なんですが、実は、曲と詞の声調があまり合っていないところもあるんです。日本人は聴いてもわからないと思いますが、ベトナム人にはここがわかりにくい、あそこがわかりにくい、と言われます。ただ僕らも現地に4年住んでいるので、そこはわかっています。でも、レコーディングをしてくれた若いベトナム人クリエーターがオッケーを出してくれたんです。「この歌い方で大丈夫?」と聞くと、「大丈夫、大丈夫」と。中国語も声調がある言語ですが、今の中国のポップスも声調を意識せずに歌ったりしているようで、感度の高い、若いベトナム人のクリエーターを信じて、僕らもそちらに流れていこうと思いました。
―――ベトナムにいて、ご自身が「現地人になった」と最も感じるときはどんなときですか?
中川 :路線バスに乗ったりもするのですが、乗る直前にバスに向かって思いきり両手を振ってアピールすることですかね。そこまでしないと停まってくれないので、そうすることには慣れました(※ベトナムの路線バスは乗る時に手を振って停める)。
井手 :虫が出ようが、ゴキブリが出ようが、ネズミが出ようが全く気にしなくなったことでしょうか。今、1匹のゲッコー(ヤモリ)が部屋に住み着いていて、毎晩テュッテュッテュッテュッと鳴いています。この子が赤ちゃんの頃から家にいるのでもはや愛着が沸いています。壁に付いた糞を掃除しているときに少し腹が立ちますが…。
―――MVで「マムトムにはまだ慣れない」というネタがありますが、ほかに今でも慣れないことはありますか?
中川 :空港などで、列に並ぶ時の距離の近さですね。ベトナム人のパーソナルスペースが狭いからなのか、触れているか触れていないかのギリギリの距離感。腕は触れていない、でも腕毛は触れている、という。あれには未だに慣れません。
井手 :夜の犬ですね…。しばらく一定の距離を保ちながらついてくるので、いつ飛び掛かってくるかとビクビクしながら歩いています。
―――音楽以外も含めたベトナムでの今後の活動の展望、目標を教えてください。
井手 :もっとテレビの露出を増やしたいなと思っています。「ベトナムのテレビに出ている日本人」として覚えられていることが多いので、「ダブルウィッシュのシンスケとカズ」と覚えてもらえるようになっていきたいなと。歌やネタももっと作って発信していきたいですし、日本人の方にも僕らがどのような活動をしているかというのをアピールしていきたいなと思います。
中川 :コンビでテレビやイベントで活躍していくことはもちろんですが、個人でも日本語のギャグをベトナム語で教えるというYou Tubeチャンネルを作りました。そちらで教育系にも力を入れていきたいと思います。よく、ベトナム人に「日本語を教えてください」と言われるので、コメディを通して日本語を教えていきたいです。ベトナムにはないギャグという文化も伝えたいですね。
―――最後に、読者やファンの方々に向けて一言コメントをお願いします!
井手 :ベトナム住みます芸人、ダブルウィッシュのシンスケとカズです。最近、ベトナムのお見合い番組に出演しました(※HTV7チャンネル「
Ban Muon Hen Ho 」)。相手の女性とは見事にマッチしましたが、放送される頃には2人の関係は終わっていました。理由はいろいろありますが、落ち込みました。でも、この「Nay Thanh Tho Dia」を観て、聴いて、元気になりました。皆さんもぜひ聴いてみてください!
中川 :最初にもお話しましたが、「Nay Thanh Tho Dia」の再生回数がまだまだ少ないです。 皆さんの会社でも流して、スタッフの皆さんと一緒に歌って踊ってみてください。ベトナムで「恋するフォーチュンクッキー(※AKB48の楽曲)」のような存在になれるポテンシャルはあると思っています。僕らの夢を、皆さんの夢にもしてください。よろしくお願いします!
中川・井手 :ダブルウィッシュをよろしくお願いします!
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ダブルウィッシュ(Double Wish)プロフィール
吉本興業東京本社(東京吉本)所属のお笑いコンビ。メンバーはボケ担当の中川新介(なかがわしんすけ、1982年6月25日生まれ)とツッコミ担当の井手一博(いでかずひろ、1983年2月6日生まれ)。いずれも熊本県熊本市出身。高校時代、テレビ熊本の若者向けローカル情報番組「若っ人ランド」で共演したことがきっかけで、2008年4月にお笑いコンビを結成。2015年6月より「住みますアジア芸人」としてベトナムに住み始め、現地で活動している。
Facebookページ:
https://www.facebook.com/doublewishkumamoto/
Youtubeチャンネル:
https://www.youtube.com/user/doublewishkumamoto/
[2019年10月13日 ベトジョーニュース/A-TIM’s A]
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