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幼いころから貧しい暮らしをしていたウオンさんは5、6歳になると姉弟の面倒を見て、山登りができるようになると両親と畑仕事に出るようになった。当時の山岳地域では、女性は一定の年齢になると嫁に行き労働力として子供を産むことが慣例だった。
学校もなかったため、ウオンさんは読み書きを知らない。そんなウオンさんだが、自身でも考えが及ばないほど子供を産むことについては長けていた。
子供が2人になって生活は苦しさを増し、ウオンさんは産後1か月も経たないうちに畑仕事に出て、キエンさんは相変わらず革命活動に忙しくウオンさんを手伝う間はなかった。毎日空腹でくたくたになるまで働きづめのウオンさんだったが、不思議なことに第3子、第4子…第8子と1年半毎に子供を授かった。
ウオンさんは8人の子供を女手一つで育て、キエンさんは革命活動を続け、読み書きができたことから村の幹部に選ばれた。ウオンさんはその後も「減速」することなく子供を授かり続け、30年の間に9男9女を出産した。
子沢山の秘訣は義母仕込みの薬草の調合だという。キエンさんの母は調薬に優れていて山の薬草やキノコなどをとてもよく知っていた。キエンさんに嫁いだウオンさんは義母から不妊や妊婦に効く薬の調合を受け継いだ。
「あらゆる薬を飲んできたお陰でこんなに子宝に恵まれたのかもしれません」とウオンさん。ウオンさんは産気づくと山に入り薬草を摘み、お産の後は自ら赤ちゃんのへその緒を切ってきた。18人の子供全員をウオンさん1人で出産するという偉業を成し遂げてきた。