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メコンデルタ地方ロンアン省に、わずか3年の間に10回も交通事故に遭った男性がいる。男性は、バスやトラック、バイクなどにひかれて致命傷を負ったこともある。その結果、片腕を切断し、足の骨や肋骨を折り、肺を損傷し、身体はぼろぼろになったが、回復を繰り返して今も力強く生きている。
その男性とは、ロンアン省タンアン市に住むグエン・バン・タムさん(男性・48歳)だ。タムさんは人々から「ロンアン省で最も不運な人」と呼ばれている。タムさんの小さな家は、弟から借りているものだ。家の中には古いテーブルのほかに何もない。タムさんは10回もの交通事故の治療費を払うため、全ての家財を売り払ってしまった。
「10回も交通事故に遭って、私のような人生を送っている人がほかにいるでしょうか。しかもどの事故も後ろからぶつかられて、気を失ったことも、片腕を切断したことも、足や肩の骨、肋骨を折ったことも、肺を損傷したこともあります。おかげでお金もなくなり、苦しい生活です」とタムさん。
タムさんの妻のフエンさんは、「夫はお酒を飲みませんし、たばこも吸いません。食べていくために責任を持ってがんばっているのに、彼はどれだけ辛いことか。バイクで外に出かけたかと思ったら事故に遭ったと連絡が入り、救急車や治療の費用の心配をして、その後も薬を飲まなければなりません。これで貧しくならないわけがないでしょう」と語る。