[特集]
ロンアン省で最も不運な男性、3年間に10回の交通事故被害
2017/06/25 05:34 JST更新
(C) dantri |
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メコンデルタ地方ロンアン省に、わずか3年の間に10回も交通事故に遭った男性がいる。男性は、バスやトラック、バイクなどにひかれて致命傷を負ったこともある。その結果、片腕を切断し、足の骨や肋骨を折り、肺を損傷し、身体はぼろぼろになったが、回復を繰り返して今も力強く生きている。
その男性とは、ロンアン省タンアン市に住むグエン・バン・タムさん(男性・48歳)だ。タムさんは人々から「ロンアン省で最も不運な人」と呼ばれている。タムさんの小さな家は、弟から借りているものだ。家の中には古いテーブルのほかに何もない。タムさんは10回もの交通事故の治療費を払うため、全ての家財を売り払ってしまった。
「10回も交通事故に遭って、私のような人生を送っている人がほかにいるでしょうか。しかもどの事故も後ろからぶつかられて、気を失ったことも、片腕を切断したことも、足や肩の骨、肋骨を折ったことも、肺を損傷したこともあります。おかげでお金もなくなり、苦しい生活です」とタムさん。
タムさんの妻のフエンさんは、「夫はお酒を飲みませんし、たばこも吸いません。食べていくために責任を持ってがんばっているのに、彼はどれだけ辛いことか。バイクで外に出かけたかと思ったら事故に遭ったと連絡が入り、救急車や治療の費用の心配をして、その後も薬を飲まなければなりません。これで貧しくならないわけがないでしょう」と語る。
2014年半ばから、前回の事故の怪我が治るか治らないかというタイミングでまた事故に遭い続けてきたタムさん。2015年11月の事故では、50人乗りのバスに突っ込まれ、左腕を巻き込まれて切断を余儀なくされた。片腕を失っただけでなく、あちこち骨折し、3か月後にようやく退院できたのだという。
しかし2016年2月、タムさんはまた事故に遭い、足を骨折。タムさんは、「私の身体のいたるところに傷があります。お天道様は私を愛してくれていて、まだ死なせてくれません。普通の人が私のように何度も事故に遭っていたら、とっくに死んでいるでしょう」と話す。
タムさんの事故の原因はいつも飲酒運転やながら運転など、相手方の不注意によるものだという。タムさんはぼろぼろの身体で豚や牛、魚を育ててわずかながら収入を得て、夫婦と息子を養っている。
タムさんは何度事故に遭っても何度死にかけても力強く生き、そして全てをやり直すべく前を向く。「治療費を払うため全てを売り払ってしまい、私の家にはもう何もありません。お天道様が生かしてくださるのなら、私は自分自身と家族を養う方法を見つけなければならないんです。片腕は失いましたが、もう1本の腕はまだ健康で、妻や子供のために色々なことができますから」とタムさんは打ち明けた。
[Xuan Hinh, Dan Tri, 09/06/2017 - 07:24, A]
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