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ホーチミン市タンビン区チャンマイニン(Tran Mai Ninh)通りにある第11街区市場(Cho Phuong 11)は、ベトナム中部地方の特産品を専門に取り扱う市場だ。人々はこの市場を、1954年に南部へ移住し1970年代前半に土地を購入して市場を設立した女性の名にちなんで「バーホア市場(Cho Ba Hoa=「ホアさん市場」)」と呼んでいる。
この市場が設立される以前、同地域は土地の荒れた、中部地方から移住した人々が数多く集まる場所だった。中部地方でも特に「クアン」の語のつくクアンガイ省、クアンナム省、クアンチ省、クアンビン省の出身者が多く、ここは織物業で有名な、サイゴン(現在のホーチミン市)で最大の中部地方出身者が集まる地域となった。
今では織物業もほとんど廃れてしまい、バーホア市場には織糸を販売する店がわずかに残っているだけだ。この市場で織糸店を営んでいるファム・ティ・トゥーさんは、クアンナム省ズイスエン郡の出身で、約20年前にサイゴンへ移住し現在まで商売を続けている。
バーホア市場では、他では手に入らない中部地方の特産品を数多く取り扱っている。中部沿岸地方の特産品で有名なものの1つは、海の魚に塩を加えて発酵させた「マム(mam)」で、この市場でも多くの店が様々な種類のマムを販売している。
バーホア市場でマム店を営んでいるグエン・ティ・ニャット・ハーさんは、まだ幼かった1972年から母親についてこの市場でマムを販売するようになったという。ハーさんの店では、種類によって1kg当たり7万~15万VND(約340~740円)で販売している。