(C) vnexpress, Manh Tung 写真の拡大 |
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独り身のグエン・バン・ミンさんは、ホーチミン市トゥードゥック大学の学生街にあるダー湖周辺にハンモックを張り、茂みの中で眠っている。ひったくり犯を捕らえ、学生たちの財産を守ることが日々の喜びだ。
テト(旧正月)の間、ミンさんはトゥードゥック区と東南部地方ビンズオン省ジーアン町に隣接する大学周辺でバイクタクシーをしていたが、学生たちは皆故郷に帰ってしまい、人影もまばらで普段よりも寂しかったという。
20年近くここに住み、56歳になるミンさんにとって最も大事な財産は、1台の古いバイクと、ホーチミン市国家大学の都市区開発管理センターから贈られた治安維持の功績を讃える感謝状だ。
ダー湖沿いのカフェでコーヒーを飲みながら、ミンさんは若い青年たちがバイクをふかしながら走らせる様子を目で追っていた。「ひったくりを犯しそうな疑わしい人がいれば、私はすぐにバイクを走らせて後を追います。旧正月の時期は一番窃盗が多いのです」とミンさんは決意を込めて話した。
ミンさんは2016年の旧正月6日目の22時頃に起きた事件について話してくれた。その時、学生街の道路は人気がなく静かで、1組のカップルが湖沿いのベンチに座って話していたという。