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現在の店主であるカンボジア系ベトナム人のゴ・ティ・タイン・マイさんいわく、材料はカンボジアのトンレサップ湖でとれる雷魚で、細かくほぐした白身の味付けにはヌクマムが欠かせないという。更にターメリックで黄色く色付けた白身は食欲をそそり、カンボジア料理の特色を出している。
カンボジア市場は、カンボジアの地方の名物でベトナムへ持ち込まれたチェー(ベトナム風ぜんざい)でも有名だ。グエン・ティ・コーおばさんのチェー屋は市場の片隅にある。
コーおばさんは、1970年代から母親に付いてこの市場でチェーを売っている。働きながらチェーの作り方を学び、母親が体を壊し働けなくなった後も、後を引き継いで店を続けている。メニューは10種類以上。卵のチェー、タマリンドの種のチェー、おこわのチェー、カボチャケーキなど、それぞれ大体7000~2万VND(約40~110円)で提供している。
コーおばさんは、「チェーを売り続けるのは、故郷の味を守り続けたいから。商売としては儲からないけれど、皆が食べて美味しいと言ってくれるだけで嬉しいんだよ」と語る。
現在この市場では、カンボジア系の人のほか、たくさんのベトナム人も野菜や海産物を売っている。彼らはモラルを大事にし、互いに助け合いながら商売をする。この心こそが、カンボジア市場の居心地の良さと楽しげな雰囲気を生み出しているのだろう。