(C)Tien phong,Nguyen Thanh、ロイさん(左) 写真の拡大 |
南中部クアンナム省に、自分の家を売り払って養老院を立ち上げた女性がいる。チン・ティ・ロイさんにとって、ここで暮らしている16人の老女達は全て母親と同じだ。ロイさんは「16人の母がいてくれて、私は今が一番幸せ」と話す。
ロイさんは5歳の時に母を亡くし、その数年後に戦争で父も失った。叔母の家に引き取られ、貧しいながらも懸命に勉強して教員になった。同じく教員の夫と結婚して4人の子供にも恵まれた。子供達は皆成長して仕事を持ち、夫妻はタンビン郡ハラム町に2軒の家を持った。人もうらやむ幸福な人生だ。
しかしロイさんは2007年に定年退職すると「売家」の看板を掲げた。養老院の建設資金に充てるためだ。夫や子供達はロイさんの悲願を理解し、支持してくれたという。1年後、ヒエップドゥック郡タンアンに養老院が完成すると、ロイさんは引き取るべき孤独で経済的に恵まれない老人を探しに各地に出かけた。
対象者が見つかると、親戚や地元の当局者に会いに行って引き取る許可をもらった。人数は徐々に増え女性ばかり20人になったが、その後4人が亡くなったので今は16人だ。