(C)Tien phong、赤いTシャツがチョンさん 写真の拡大 |
自分の力を試そうと東北部ラオカイ省のサパに向かい、貧困層の子供達に対する教育を始めた若者がいる。ハノイで生まれ育ったギエム・スアン・チョンさん(23歳)だ。彼はハノイ国家大学を卒業後、インターナショナルスクールで安定した教員の職を得ていたが、全てを捨てる決断をした。
チョンさんはその理由について、「ハノイには多くのチャンスがあるし、仕事にも友人にも恵まれています。でも僕にはここでの暮らしは息苦しく感じます。存在するだけで、生きている実感がありませんでした」と語る。
彼は昨年8月末、まずは1か月のつもりで300万ドン(約1万4300円)を持ってラオカイに向かった。サパを歩き回っている時、バイクタクシーの運転手と知り合って話をすると、シンチャイ村落のある家族を紹介してくれた。家族はチョンさんの考えに理解を示し、空き家を提供してくれた。
こうしてサパの青年「バンアー・チョン」としての生活が始まった。村の人々は家族のように接してくれる。畑仕事や森で薪拾いの仕事をするうちに、村人や子供達が貧しい暮らしを送っているのを目にして、彼らの力になりたいと思うようになった。