(C)Tien phong、赤いTシャツがチョンさん 写真の拡大 |
少数民族の子供達はベトナム語の発音がうまくできないが、観光客と接するために英語やベトナム語の学習をしたがっていた。チョンさんは10人ほどの子供達に、自宅で昼はベトナム語、夜は英会話を教えることにした。彼の教室は村の人々から歓迎され、やがて地元の小学校に補助教員として招かれた。
チョンさんは「子供達が勉強熱心なのでやりがいがあるし、この仕事に意義を感じます。彼らが自分の仕事を持つようになって、観光客からお金をねだったり土地を売ったりしないですむようになることを願っています」と目を輝かせた。
ところが最近になって、まだ郡当局の許可を得ていなかったという理由で、英語の教室が閉鎖されてしまった。チョンさんはなるべく早く再開しようと動いている。サパで生活しながら、時々ハノイにも帰る。当初は冷たい視線を送っていた両親や友人も、今では彼の考えを尊重し応援してくれている。
平日は学校で補助教員をし、週末は子供達と自然の中で遊ぶ今の生活に、チョンさんは満足している。将来の仕事について尋ねると、彼はこう答えた。「熱中できるものが何か自分でもまだ分かっていないので、決めることができません。これは誰にも分からないと思うけれど、自分が行き着いた場所で自分の仕事を見つけられるかもしれません」