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骨の癌に侵され両足を失った花婿と枯葉剤被害者で両足麻痺を患った花嫁の結婚式が行われた。挙式した場所は花嫁の運命とは切っても切り離せない特別な場所、ホーチミン市戦争証跡博物館だ。
義足の青年レ・バン・ビンはある雨の日、車椅子に乗った少女チン・ティ・ズエンと出会い、そして恋に落ちた。知り合った当初は別々の学校で学んでいた2人だが、間もなくしてバンラン大学の障害者向けコースを揃って履修することになった。
「毎日、彼女の車椅子を押して、大学に通いました。寮から大学までは1キロ以上あり、その道程を来る日も来る日も2人で通いました」ビンは当時を振り返ってそう語った。ズエンはそれを聞きながら「大学に着く頃には汗だくになっていることもよくありました。でも、彼は一言も弱音を吐かず、いつも笑顔で私に話しかけてくれました」と語った。
コース修了の時期が近づいて、2人にも転機が訪れた。ズエンは故郷の北中部ゲアン省で仕事をしたいと考えていたが、既に将来を誓い合っていたビンからの申し出を受けて、留まることを決めた。