(C)VnExpress,Anh Quan 写真の拡大 |
ハノイ市の旧市街周辺の住民達は、数週間前から自転車でコーヒーを売り歩く青年の姿を目撃している。食べ物を売り歩く行商は数あれど、不思議とコーヒーの行商はこれまでほとんど見かけなかった。自転車の荷台に大きな発砲スチロールの箱を積み、前かごには「ダラット産アラビカ種コーヒー、1杯1万5000ドン(約58円)」と表示している。
この商売を始めたのはグエン・ズイ・ビエウさん。1987年生まれで現在25歳。東南部ドンナイ省の美術短期大学を卒業したが、アラビカ種コーヒー好きが高じて中部高原ラムドン省でカフェを開いた。しかし失敗して、ハノイで再出発を図っている真っ最中だ。
ビエウさんは、ベトナム人は主に値段の安いロブスタ種コーヒーを飲んでいるとし、アラビカ種の良さをもっと広めたいと考えている。残念に感じているのは、コーヒー輸出国として世界1、2位を争っているにもかかわらず、偽コーヒーの横行でベトナム人の味覚がおかしくなっていることだ。利益優先の商売人が、大豆やトウモロコシ、化学物質入りの偽コーヒーを平気で販売している。