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[特集]

アラビカ種コーヒーの伝道目指し、青年がハノイで行商

2012/08/19 08:09 JST更新

(C)VnExpress,Anh Quan
(C)VnExpress,Anh Quan
 ハノイ市の旧市街周辺の住民達は、数週間前から自転車でコーヒーを売り歩く青年の姿を目撃している。食べ物を売り歩く行商は数あれど、不思議とコーヒーの行商はこれまでほとんど見かけなかった。自転車の荷台に大きな発砲スチロールの箱を積み、前かごには「ダラット産アラビカ種コーヒー、1杯1万5000ドン(約58円)」と表示している。  この商売を始めたのはグエン・ズイ・ビエウさん。1987年生まれで現在25歳。東南部ドンナイ省の美術短期大学を卒業したが、アラビカ種コーヒー好きが高じて中部高原ラムドン省でカフェを開いた。しかし失敗して、ハノイで再出発を図っている真っ最中だ。  ビエウさんは、ベトナム人は主に値段の安いロブスタ種コーヒーを飲んでいるとし、アラビカ種の良さをもっと広めたいと考えている。残念に感じているのは、コーヒー輸出国として世界1、2位を争っているにもかかわらず、偽コーヒーの横行でベトナム人の味覚がおかしくなっていることだ。利益優先の商売人が、大豆やトウモロコシ、化学物質入りの偽コーヒーを平気で販売している。

 ビエウさんのコーヒーは、アラビカ種の豆100%が売りだ。ハノイの人々にアラビカ種とコーヒー豆100%のコーヒーを飲み慣れてもらいたいと思っている。仕事は朝から夜10時頃まで。周囲の人に迷惑をかけたくないため、売り声をあげることはしていない。「それでも得意客ができました。電話で注文してくれるお客さんもいます」とビエウさんはうれしそうに語った。  この商売を始めて最初の週は、1日当たり10杯を目標にした。予想外に売れたため翌週は目標を20杯に引き上げた。利益は1杯当たり5000ドン(約19円)にもならず、通常のカフェの半分に過ぎない。彼が使用するアラビカ種の豆の価格は1キログラム当たり38万ドン(約146円)するが、多くのカフェでは15万ドン(約575円)程度の豆を使っているという。しかしビエウさんは「利益は自分の最大の目標ではありません」と話す。  ビエウさんは「ハノイでアラビカ種コーヒーを飲む習慣が幾分でも根付いたと感じたら、別の都市に行って他の人達にもこのコーヒーを紹介したい思っています」と語る。カフェの主人におさまるより、アラビカ種コーヒーの伝道師になることが彼の夢のようだ。  

[VnExpress,3/8/2012, 11:50 GMT+7,O ]
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