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国際サッカー連盟(FIFA)が発表した最新のFIFAランキングで、ベトナムは131位となり、東南アジアトップの座を守った。しかし、国内サッカーを取り巻く問題を考えると、この結果に異論を挟まずにはいられない。「ベトナム代表は名ばかりのハリボテ」、他の東南アジア諸国からそう言われてもおかしくない状況だ。
なお、ベトナムサッカー連盟(VFF)は現在、後任監督の人選を急いでいる。国内監督から選ぶ方針だが、ベトナム人監督体制で臨んで惨敗に終わった今回のAFFカップの教訓から、再び外国人監督の誘致に舵を切るのでは、とも言われている。今年提携したJリーグから日本人監督を招くという案も出ているが、有力候補は先のAFFカップでシンガポールを4度目の東南アジア王者に導いたセルビア人監督、アブラモビッチ氏(63歳)であろう。
同氏は東南アジアで最も成功した外国人監督の1人として知られている。シンガポール代表を率いた10年間で、同国を3度の東南アジア王者に導いた実績は周辺諸国から高く評価されている。シンガポールサッカー協会との契約が満了すれば、数多くのオファーが同氏のもとに舞い込むものと予想される。既に還暦を超えた同氏は健康上の理由から、より快適な環境で仕事をしたいとコメントしており、契約に漕ぎ着けるにはかなりの好条件を提示する必要があるだろう。
ある専門家は、「仮に外国人監督を招聘した場合、その監督が標榜するサッカーを具現化するための猶予期間を設けなければならない。すぐに結果を求めるのではなく、長期的な代表チームの強化を考えるならば、東南アジアで豊富な指導経験を持つアブラモビッチ監督は適任と言える」とコメントしている。
前途多難なベトナムサッカーだが、多くのサッカー後進国がそうであるように、代表チームの人気が国全体のサッカー人気を支えている。その人気に翳りが出ては、サッカー熱そのものを下げることに繋がってしまうため、代表監督の選考は将来の成功を見据えて慎重に行ってほしいものだ。