(C) thanhnien |
さらに、近所の朝市で長年商売をしている人たちもほとんど誰もがロックさん一家の状況を知っているため、それぞれが何らかの形でサポートしている。その1人が、ロックさんきょうだいの移動式屋台の隣で毎日鮮魚を売っているランさん(女性)だ。
ランさんいわく、ロックさんきょうだいは耳が聞こえず、話すこともできないが、愛情深く、それを行動や身振りで表現してくれるという。
「私は慈善家とのつながりがあって、ロック一家が大変なとき、特にロックががんになったときに助けていたんです。ロックはそれを知って、お礼にと私にサトウキビジュースを買ってくれたんです。高価なプレゼントというわけではありませんが、大切なのはお互いを想う気持ちです。そのサトウキビジュースを飲んで、幸せな気持ちになりました」とランさんは語る。
ロックさんはがんと闘いながらも毎日きょうだいと一緒に屋台で飲み物を売って生計を立てている。屋台にはこう書かれている。「私はろう者です。買いたいものを指さしてください」。日々の暮らしでも病との闘いでも、ロックさんが孤独を感じることはない。なぜなら、ロックさんのそばにはいつも寄り添い、助け、励ましてくれる家族や近所の人たちがいるからだ。
後編に続く