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16時、ブイ・タイン・ソンさん(男性・77歳)は、カウンターでピッチャー2杯のビアホイ(生ビール)を受け取ると、小脇に抱えて、「配給切符」を手に順番を待っている人々の列を抜けた。
ソンさんがテーブルに戻ると、すでに3人の友人がグラスとおつまみを持って来ていた。おつまみは茹でた落花生1袋と、ライスペーパーの煎餅数枚だ。青いガラス製のグラスにビールを注ぎ、グラスをかちゃかちゃとぶつけ合ってから飲む。「スポーツの後にこのビールを飲むのがいいんです」とソンさんは話す。
実はこの「飲み屋」は、ハノイ市バーディン区クアンタイン通りにあるバーディンスポーツセンターの軽食カウンターだ。このセンターは、退職した中級・高級幹部にスポーツの場を提供する目的で1980年代に設立された。
他のテーブルでは、10人近い高齢の男女のグループ「B&B(Boi va Bia=水泳とビール)」が、茹でた落花生をつまみながらビールを飲んでいる。彼らによると、このグループはセンターがこの地に移転した2010年から活動しているという。
グループは、冬でも夏でも、センターで泳いだ後は皆で何杯かビールを飲んでから帰る。ホアン・ゴック・シンさん(男性・74歳)はこう語る。「ビールの質も良いし、列に並んでビールを買うというのは、配給時代(ドイモイ(刷新)前、1976年から1986年ごろ)を彷彿とさせるので、我々はここで飲むのが好きなんです」。
ここはテト(旧正月)以外毎日営業しており、営業時間は16時から18時30分までで、ピークタイムは17時から18時だ。このころには、支払いとビールの受け渡しのカウンターに並ぶ人の列はどんどん長くなっていく。席もどこもいっぱいで、空席を見つけるのも一苦労だ。