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センターは、何度か移転して今の地に落ち着いてからも、もともとの「配給ビール」モデルを継承している。ビールを飲むには「配給切符」を購入して、列に並んでビールを受け取り、席も自分で探さなければならない。
ここのビールは他よりも安く、グラス1杯1万2000VND(約70円)、ピッチャー1杯6万VND(約350円)だ。客のほとんどが数十年来の常連で、彼らにとってここで楽しむビールは、スポーツの後の1杯というだけでなく、「ノスタルジーの天国」でもある。
元外交官のソンさんによれば、1960年代にホアンホアタム通りのビール醸造所がビールを販売し始めたころ、ビールに馴染みのない多くの人々は「臭くて苦い」とけなした。当時はグラス1杯1.2ハオ(hao、1VND=10ハオ)だったが、追加で8スー(xu、1VND=100スー)を支払い、シロップを買って混ぜ、ビールに甘味を足して飲んでいた。
ビールは徐々にハノイ市の人々の生活に入り込み、行列に並ばなければ買うことのできない、数量限定の贅沢品となった。価格もグラス1杯3ハオに値上がりした。
ベトナム科学技術研究所の元幹部であるシンさんの記憶では、当時の飲み屋には温度を2~4度に保った樽が2つ、蛇口が2つあり、片方の樽からビールを、もう片方の樽から炭酸ガスを同時にグラスに注いで、ビールの泡立ちを良くし、冷たいのどごしを生み出していた。
「それに、気泡が入った青いガラス製の500mlのグラスなしでは、ビアホイを飲んだとは言えません。グラスは互いにぶつかり合うたびに、かちゃかちゃと大きな音を立てるんです」とシンさん。