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グエン・カオ・ギンさん(男性・82歳)は、スポーツをしてビールを飲むために、毎日3km歩いてゴックハー通りからバスに乗り、センターにやって来る。これまでの人生で様々な種類の高価な海外の酒を口にする機会もあったが、ギンさんにとってはここの素朴なビールが格別なのだという。
ビック・トゥイさん(女性・75歳)は、カウザイ区スアントゥイ通りの自宅からセンターまで8km離れており、往来にはバスを乗り継がなければならないが、ここでビールを飲むことが長年の楽しみになっている。トゥイさんは夫とともに週に2~3回はここでビールを飲み、さらに来られない日のために3~5Lのビールを買って帰る。
トゥイさんは、幼いころから父親に連れられてここに来ていたという。高齢になった今、主食を食べないことは多いが、ビールを欠かすことはない。往来に時間はかかるが、ここのビールはかつての醸造所の素朴な味わいが残っているように感じられることから、今も夫婦で通い続けている。
バーディンスポーツセンターの「飲み屋」は、スポーツの後の人々の集まりや交流の場所であるだけでなく、多くの市民や若者が集まる文化的な場所にもなっている。さらに最近は毎週のように、ハノイ市の観光ツアーの一環として「配給ビール」の文化を体験するため、外国人観光客の団体もここを訪れている。
「市内で『配給ビール』が飲めるのは、もはやここだけだろう、といつも話しているんです」と、ギンさんは語った。
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