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「その時はパニックに陥りましたが、被害者のご家族が私を励まし、慰めてくれたんです。ご家族に謝罪し、男性を病院に連れて行きました。その方は15日間の入院を経て、今も元気にされています」とマインさんは語る。自身の過ちを受け入れてくれた男性とその家族の心の広さに触れて以来、マインさんはこの男性を父親のように慕っているのだという。
この事故以来、マインさんは周りの人を助けるために努力しなければならないということに気づいた。そして、例のマンションで助けを求める声を聞いたマインさんは、ためらうことなく、自らの危険を顧みることなく女児を救った。
マインさんはメディアで「英雄」や「スーパーマン」などと称賛されているが、マインさん自身は、他の人が困難や生命の危機に直面しているのを目の当たりにして、必然的に「しなければならないこと」だったと思っている。
「(女児を救った)その日の午後のことはよく覚えています。家に帰ってから家族に一部始終を話し、それから友人と飲みに行きました。夜遅くに帰宅すると、何人かの記者がインタビューをしようと待ち構えていてびっくりしました」とマインさんは当時を振り返る。
記者たちのおかげで自身の行動が国中に広く知られることになったのだと話すマインさん。「最近、ハノイ市フースエン郡にある運動場に荷物を運んだ時、ある生徒たちのグループが私に気づき、一緒に写真を撮ってほしいと声をかけてくれました。あの事故からずいぶん経ちましたが、今でも多くの人たちが私のことを覚えていてくれて、とても嬉しいです。私の話が少しでも広まり、より良い社会の構築に貢献する一助になればと願っています」とマインさんは語った。