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サリさんの授業は毎週土・日・月曜日の17時45分から19時30分までだ。英語のほかに、小学生から高校生までを対象に算数・数学や国語も教えている。
「かつては私も英語の基礎が全くできていなくて、理解できないまま授業に出るのがこわかったんです。だからと言って、学校外の教室に通うお金もありませんでした。だからこそ、恵まれない子供たちに教える機会をいただいて、これを受けようと決めました。これは、子供たちに知識を与えるというだけでなく、私自身の夢を叶えるということでもあったんです」とサリさん。
サリさんによると、生徒たちのほとんどは、野菜や魚を売ったり、資源回収(ベーチャイ=ve chai)をしたりして生計を立てている家庭の子で、郡内の他の村から通ってくる子もいるという。
サリさん自身は大学で英語を学んで学士号を取得したが、教職課程を学んだわけではない。それでも子供たちのための教室を開くのが夢だったサリさんにとって、生徒たちから「先生」と呼ばれることは、この上ない喜びなのだという。
「生徒たちは教室に来ると、自分たちで机と椅子を並べて、私を待っているんです。教室には最新のツールなどは何もなく、ホワイトボードと机と椅子があるだけで、授業はすべて私の自己流で進めています」とサリさんは打ち明けた。