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東北部地方フート省出身のグエン・マイ・アインさんは、脳性麻痺というハンディキャップを抱えながらも、この6月にハノイ法科大学を卒業し、法学の学士号を取得した。
卒業式の日、学長に手を引かれて壇上に上がるマイ・アインさんの姿を見た母親のディン・ティ・トゥー・ハオさんは、そのときは多くを考えることができず、歩行も困難な娘が裾の長いローブにつまずいてしまうのではないかとばかり心配していた。
卒業式が終わって足早に帰宅したハオさんは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿・拡散された娘の写真を見て、涙を流した。はるか遠い存在のはずの学長が、卒業式で娘の手を引いてくれ、さらに壇上から降りるまで待ってくれた、その学長の行動に改めて感動し、涙を抑えることができなかったという。
そんな学長の姿を目にして、自身も教師であるハオさんは、果たして自分は生徒たちにそのように接することができるのだろうか、と自問した。
マイ・アインさんは2月の時点ですでに単位を取得し終えていたため、一足先に卒業し、地元に戻っていた。特に混雑した場所での移動が困難なアインさんは、6月の卒業式には出席するつもりはなかった。しかし、大学側からの励ましの電話を受け、家族で朝の6時からハノイ市に向かうことにした。