(C) danviet 写真の拡大 |
(C) danviet、フンさん(右)と父親のレ・ズイ・クオンさん(左) 写真の拡大 |
東北部地方フート省タインソン郡タックコアン村在住のレ・ズイ・フンさん(男性・28歳)は、自動車修理工でありながら、100万回再生を超える「ミュージックビデオ」で人気のティックトッカー(TikToker)でもある。
フンさんの動画は、トラックの鉄箱をピアノに、オイル缶をドラムに見立ててセッティングし、タイヤを積み上げてステージを作り、BGMに合わせてエア演奏するというものだ。
フンさんはもともと音楽が好きでその道に進みたかったが、家庭の事情で夢を追うことができなかった。長いこと、ハノイ市で電気工やれんが積み工、警備員、駐車場管理、清掃員などの仕事を転々としながら生計を立てた後、北部紅河デルタ地方フンイエン省で工場労働者として働いた。フンさんは、自分の人生はこのままずっと退屈で静かに過ぎていくのだろうと思っていた。
2020年3月にフンさんの弟が兵役に行くと、故郷には父親だけが残った。そこでフンさんは故郷に帰ることにし、父親の世話をしながら家族の自動車修理工場を継いだ。
フンさんは、「自動車修理工場の家の息子なので、仕事自体はそこまで難しいものではありませんでした」と語る。しかし、自動車修理の仕事に馴染むと、毎日チューブやタイヤだけに囲まれる生活がまた少しつまらなくなってきた。
そこでフンさんは、気分が上がり、楽しくなり、そして家族の生活がより良くなるよう、何かもっと画期的なことをしなければ、と考えるようになった。