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(C) danviet、フンさん(右)と父親のレ・ズイ・クオンさん(左) 写真の拡大 |
例えば、トラックの鉄箱はピアノ、タイヤレンチはマイク、オイル缶はドラムに見立て、タイヤは積み上げてステージにする。また演出として、藁を燃やしてスモークを焚き、車両の洗浄機で雨を降らせる。それからフンさんの衣装は仕事用のぼろシャツ、メイクはエンジンオイルで準備完了だ。
動画が「バズった」おかげで、2023年のテト(旧正月)にはいくつかのブランドの広告に協力し、かなりのお金を稼いだ。しかしながら、フンさんの本業はあくまでも自動車修理工であり、この仕事の場こそが、動画作りにおいて最大のインスピレーションの源となっている。
さらに、フンさんは自分の情熱や創造性が一時的な流行りで終わってしまうことを望んでおらず、自動車修理工の仕事をしながら、もっと成長できるまで学びを続けていきたいと思っている。
フンさんはまた、十分な条件が揃ったら音楽とエンターテインメントを専門とするユーチューブ(YouTube)チャンネルも開設したいのだという。チャンネルの運営で得られた収益は自動車修理工場の改修に充て、工場で多くの雇用を創出したいと考えている。
フンさんには、「他の人を助けるためにはまず自分が成功しなければならない」という信念がある。人生において、どんな状況にあっても情熱と創造性さえあれば、誰だって自分を肯定する機会が得られる。特に今のテクノロジー時代では、デジタルコンテンツの制作こそ、若者が自分の情熱を解き放つための効果的な手段となるのだ。