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走り終わると、電動機を始動させ、伸ばし終わったばかりのプラスチック紐を編み、そしてより強く耐久性のあるロープにする。最後に妻のマーさんが編み終わったロープを束にして、顧客に引き渡す。
レー夫妻のようなロープ作りの熟練者は、15分ほどで重さ3~4kgのロープを完成させる。夫妻と末の息子で一緒に作業をして、1日に約100kgのロープを作り、1人当たり15万VND(約710円)を稼ぐことができる。
「この仕事はかなり過酷ですが、必死でやれば慣れます。雨と日差しに耐えさえすればよいのですが、会社勤めの労働者の収入にはまるで届きません。それでも田舎で働いていたころと比べれば今のほうが安定しているので、私たち夫婦はこの仕事を続けています」と、夫のレーさんはため息をついた。
3~4日ごとに顧客がレーさんの自宅まで商品であるロープを受け取りに来る。レーさん一家や周辺の家庭で作られたロープはあちこちの省・市に届けられ、漁網や農業向けの資材として活用されている。
レーさんは田舎のアンザン省チョモイ郡にいた10歳の時から、この仕事に慣れ親しんできた。親戚からこのロープ作りの技術を教わったものの、全て手作業だったため生産量が少なく、家族を養うことができなかった。
21年前、田舎のロープ市場が日に日に小さくなっていくのを目の当たりにし、夫妻はホーチミン市で事業を始めることにした。しばらく働いた後、夫妻はその土地から追い出され、新しい土地に移動した。これまでに夫妻は土地所有者から3度も追い出されており、今の土地からも近いうちにまた追い出される恐れがあるという。