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ハノイ市のホン川(紅河)に架かるロンビエン橋(cau Long Bien)のふもとに長い間ひっそりと存在している水上集落は、困難な状況にある人々が多く暮らす場所だ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりハノイ市で社会的隔離措置が適用されている間、ホン川の水上集落で暮らす人々の生活は、さらに困難になっている。
この集落の長であるグエン・バン・ドゥックさん(男性)によると、現在、集落では35世帯の121人が、川縁のいかだの上に建てられた簡易な住宅に暮らしている。
「ここの人々はそれぞれ違うところから移り住んできましたが、皆同じく困難な状況にあり、安定した仕事もありません。多くがロンビエン市場での荷物の積み下ろしや資源回収で生計を立てる自由業者です。今は社会的隔離措置のため、ほとんど仕事もありません」とドゥックさん。
感染防止策としてホン川の川縁からロンビエン橋に上がる通路が封鎖されているため、水上集落から市場や仕事に出かける必要がある時には遠回りの別ルートを通らなければならない。ハノイ市で社会的隔離措置が適用されている間は、水上集落の人々もゴックトゥイ街区から市場での買い物整理券が配布されている。
「私たちの水上集落に配布されるのは、ゴックトゥイ市場での買い物整理券です。でも、ここから市場までかなり遠いこともあり、多くの人は整理券を受け取っていません。遠いから整理券は要らないと言う人もいれば、お金がないからという人もいますし、皆それぞれ状況が違うんです」とドゥックさんは語る。