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早朝に鳥が歌う声、真昼に鶏が鳴く声、庭の草がざわめく音…。これは、ユーチューブ(YouTube)チャンネル「Am Thuc Me Lam(「母の手料理」の意)」を開設したドン・バン・フンさん(24歳)の動画内で日常的に聞こえてくる音だ。
フンさんの動画は5分から10分と長くはなく、撮影技術や道具も専門的ではないが、田舎で生まれ育った人々に自分の故郷を思い出させ、共感を呼んでいる。フンさんが制作した動画は、視聴回数が数百回から300万回に達しているものもある。
「母の手料理チャンネル」は、2019年3月1日に初めて動画を投稿してからたった3か月で登録者数が10万人を突破し、ユーチューブから「銀の再生ボタン」を受け取った。
動画ブログ(Vlog)を始める前、ハノイ市で写真撮影の仕事をしていたフンさんは、故郷の東北部地方タイグエン省フービン郡で暮らす母親に会いに時々帰省していた。フンさんは田舎に帰ると子供の頃に食べた料理が懐かしくなり、母親に昔の料理を作って欲しいといつもリクエストした。
フンさんは写真撮影や動画撮影の技術を生かし、昔ながらの手順で作る母親の料理の様子をよく撮影し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の個人ページにアップした。投稿を見た友人たちにも評判だったため、「母の手料理」という動画ブログを立ち上げることにした。
動画ブログを始めた当初も今も、フンさんにとってチャンネルの目的は収入のためではなく、親子の思い出を記録するためだ。フンさんは動画ブログのために故郷へ戻ってからも本業の写真撮影の仕事で生計を立てており、ユーチューブで生活していくつもりはない。