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分離手術から17年、大学生になった結合双生児の姉妹

2020/10/25 05:08 JST配信
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 2003年、2人は生後1か月を迎えたタイミングでタインホア省からハノイ市の中央小児病院に移された。様々な検査の結果、2人は胸骨、横隔膜、心膜腔がつながっており、肝臓、十二指腸、小腸を共有していることが判明した。医師たちは2人の栄養を補い、最良の健康状態で手術を迎えられるよう、姉妹の健康管理に努めた。

 2003年10月16日、ついに手術が行われた。リエム医師を筆頭に、米国人専門家を含む50人ほどの医師らが集結した。この時、クックさんとアンさんの体重は合わせて15kgだった。

 手術は朝7時から夕方17時まで、約10時間にも及んだ。待合室で待っている間、ビンさん夫妻はいくつかの新聞社の取材に答えながら、終始緊張していた。手術の成功の知らせが届いた瞬間、夫のルアンさんは嬉しさのあまり泣き出した。「私はいつも、2人の身体が離れて各々自由に遊べるようになることを夢見ていました。それがもう夢ではなく、現実のものになったんです」とルアンさんは語った。

 アンさんは手術後に腸や腹部の肥大、胃の出血などいくつかのトラブルに見舞われ、さらに腸閉塞のために2回の手術を受けたが、無事に困難な時期を乗り越えることができた。

 ビンさんには、分離手術までの間、子供たちに付き添った日々にたくさんの特別な思い出があるという。クックさんとアンさんがまだつながっていた時、どちらか1人しか母親に寄り添って眠ることができないため、母親から離れてしまう側の子はよく泣いていた。そのため、ビンさんはいつも腕を伸ばして2人一緒に抱きしめ、外側の子も安心できるよう背中をトントンと叩きながら寝かしつけをした。

 「ある時は一方が眠っていて、もう一方はトイレに行きたがり、またある時は一方が眠っていて、もう一方は起きて遊びたがるんです。それで2人とも大泣きするものですから、なだめるのに苦労しました。徐々に慣れていくと、一方が眠っていても、もう一方は起きて遊んでいるようになりました」とビンさん。

 2人の身体が別々になってから、クックさんとアンさんは互いの手をこすり合わせるという特殊な「趣味」を持つようになった。ビンさんによると、以前は身体がつながっていたため、互いに接するほうの手を常に下側か後ろ側に固定していなければならなかった。そのため、両手を自由に動かして遊べるようになってから、2人は不思議な感覚を楽しんでいたのだ。

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