ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

孤児300人の「母」、子供たちの夢と希望を育てる支援

2020/09/27 05:13 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress

支援を受ける子供たちは、毎月40万~50万VND(約1800~2300円)程度の学費を受け取り、さらに毎日ズンさんから健康や学校の状況を尋ねる電話をもらっている。高学年の子供たちに対しては、ズンさん自ら時々自宅を訪問し、まるで出張から帰った母親のように宿題を確認し、しっかり勉強するように励ましている。

 カットボン基金が支援する子供たちの数は日に日に増えていったが、最初の2年間はズンさんが1人で山のような仕事を抱えていた。当時のズンさんは別の会社で人事部長を務めていたため、日中は会社の仕事で忙しく、夜になってから子供たちに状況を尋ねる電話をかけ、その後にまた他の問い合わせの電話を受けていた。

 毎日朝6時から夜遅くまで働き、深夜1~2時まで仕事をすることも多かった。49kgあった彼女の体重は43kgまで落ち、疲労から何度か気を失うこともあった。そしてついに、負荷を減らさなければ健康状態の回復は難しい、と医師から警告された。

 2015年7月、ズンさんは当時抱えていた人事部長の仕事とカットボン基金の仕事のうち、どちらか1つを辞めることにした。夫にそのことを打ち明けると、「よく考えろ、衝動的になるんじゃない。ボランティアの仕事は君が思うほど簡単ではないぞ」とだけ言われた。

 基金の費用の大部分はズンさんのポケットマネーから捻出していたため、もし自分が仕事を辞めてしまったら今後の費用をどうするのかという懸念があった。「でも、もし基金の仕事を辞めたら、子供たちはどうなってしまうの?」ズンさんは何日も考え、子供たちの未来は自分の手に託されているのだという信念のもと、カットボン基金を選んだ。

 「人事部長が孤児の世話をするために退職する」という情報は、ズンさんの友人たちの間ですぐに広まった。親友たちは彼女が普通の状態ではないと感じ、会社を辞めるべきではないと忠告した。「皆に私のことをすぐに信用してもらおうとは思っていませんでした。すべての『種子』には粘り強い世話と養育が必要ですから。皆が結果を目にすることができるようになるまで、十分に時間をかけて待つ必要がありました」とズンさんは当時の心情を語った。

 退職後、ズンさんは自分と一緒に愛情が不足してきた子供たちの世話をするボランティアスタッフを募集した。現在までに70人のスタッフが集まり、全員が自発的に活動に参加し、300人近い子供たちに寄り添ってきた。

 ハノイ市在住のダオ・レ・マイ・フオンさんは、カットボン基金の設立当初からのメンバーだ。「ズンさんは痩せっぽちですが、体力がないなんて思ってはいけませんよ。彼女はいつでも愛情のエネルギーに満ち溢れているんですから」とフオンさん。

前へ   1   2   3   4   次へ
[VnExpress 05:05 03/09/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ビンGとバックマイ病院、医療分野グリーン変革で提携 (14:09)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)はこのほど、ハノイ市バックマイ病院との間で、医療分野におけるグリーン変革に関する包括的な協力協定を締結した。

学際科学ランキング、ベトナムの2大学がトップ200にランクイン (13:05)

 英国のタイムズ紙(The Times)が発行する高等教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Times Higher Education=THE)」は21日、2025年度における「

世銀、ベトナムの高所得国入りに向けたロードマップを提案 (6:14)

 世界銀行(WB)はこのほど、ベトナムがグローバルバリューチェーンにおける地位を向上させ、2045年までに高所得国入りするためのロードマップを提案した。  これは、報告書「ベトナム2045:変化する世界にお...

ノートルダム大聖堂にベトコンの旗を掲げた3人のスイス人【前編】 (24日)

 1969年1月19日、スイス人の若者3人が、フランス・パリのノートルダム大聖堂の高さ100m近い尖塔に登り、ベトナム戦争に抗議して南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)の旗を掲げた。  間もなく開かれるパリ和平...

マン国会議長、寛容と平和のための国際議員連盟会議で演説 (6:06)

 チャン・タイン・マン国会議長は24日、カンボジアで開催中の「寛容と平和のための国際議員連盟(IPTP)」第11回会議(23日~26日)に出席してスピーチを行った。IPTPでは、参加者らが平和と和解、平和促進における...

ベトナム航空、2年連続で5つ星エアラインに認定 (6:02)

 航空会社や旅行関連企業などで構成される米国拠点の非営利団体「APEX(Airline Passenger Experience Association)」はこのほど、2025年度の航空会社の評価を発表した。この中で、ベトナ

信頼性の高い製薬会社、ハウザン製薬が製薬部門で7年連続首位 (5:50)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は22日、2024年の信頼性の高い製薬会社トップ10を発表した。製薬部門では、ハウザン製薬[DHG](Hau Giang Pharmaceutical

ホーチミン:幼稚園・小中高校教員に追加収入、基礎賃金引き上げで (5:00)

 公務員の基礎賃金が7月1日から234万VND(約1万4200円)に引き上げられたことに伴い、ホーチミン市の幼稚園・小中高校の教員は追加収入を受け取ることができる。収入増加係数は1.5が適用され、最高額は2370万VND(...

ハノイ:25年末までに街灯の完全LED化を目指す (4:49)

 ハノイ市人民委員会はこのほど、「経済的で効率的なエネルギー利用に関する国家プログラムの2025年実行計画」を公布した。市は2025年末までに市内すべての街灯をLEDライトに交換することを目指す。  計画で...

ベトナム女性連合会ハイン副会長がビンフオック省書記に就任 (4:46)

 ベトナム共産党政治局は、ベトナム女性連合会のトン・ゴック・ハイン副会長(党中央執行補欠委員)を東南部地方ビンフオック省共産党委員会書記(2020~2025年任期)に任命した。レ・ミン・フン中央組織委員長が22...

ベトジェットエア、ハノイ~クアラルンプール線を11月28日就航 (3:53)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は11月28日、ハノイ市とマレーシアのクアラルンプールを結ぶ直行便を就航する。  発表式典には、マレ

ハノイ:国際フードフェスティバル2024、12月7日から開催 (2:47)

 ハノイ市バーディン区キムマー(Kim Ma)通りのバンフック外交団エリア(Khu Doan Ngoai Giao Van Phuc)で12月7日(土)と8日(日)の両日に、「国際フードフェスティバル2024(International Food Festival 2024)」が...

ホーチミン:メトロ1号線、12月22日に商業運転開始 (25日)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)は22日、同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)について、試運転を経て、ベトナム登録局から技術安全性と環境保護の品質証明書を取得したと発...

ベトナム人会社員7割超が「現在の収入に不満」、アンファベ調査 (25日)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)と市場調査・マーケティングリサーチを手掛けるインテージベトナム(Intage Vietnam)が共同で実施した...

ハノイ:2035年までに電気バス利用率100%に (25日)

 ハノイ市人民委員会のグエン・マイン・クエン副主席は、電気とクリーンエネルギーを利用した公共交通システム開発計画を承認する同人民委員会の決定第6004号/QD-UBNDに代行署名した。  同計画によると、市...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved