(C) vnexpress |
今では自ら進んで教室に通うティエンくんだが、こうなるまではそう簡単ではなかった。始めの週は帰りたいと大泣きし、次の週はなんとか教室で他の子供たちの練習を見学することができた。一進一退しながら、1か月かかってやっと練習開始にこぎつけたが、ちょっと動けば転び、床に顔を伏せて練習を止めてしまうことが続いた。
トゥエンさん夫妻は家でも積極的にティエンくんの歩行練習をするようになった。家中を四足歩行し、階段を上り下りさせた。家の中を1周回ったら力尽きていたティエンくんも次第に2周、3周と回れるようになり、2時間通して練習するにまでなった。四足歩行は身体全体を動かすことでエネルギーを発散させて発汗を促し、ティエンくんのような障害を持った子供の運動としてとても有効だとマイ氏は言う。このため、マイ氏の教室では子供たちはみな四足歩行を練習する。
教室に通いだして2年が経ち、ティエンくんは人の手を借りず1人で立ち上がれるようになった。ティエンくんが初めて1人で立った日のトゥエンさんの感動は今でもはっきりと残っている。「1人で立てるようになったのは2か月前のことです。四足歩行の練習をしている時にズボンが下がってしまったので、起き上がってズボンを直さなければならなかったのですが、自分で立って直したんです。私も先生方もみんなで喜びました」。
現在、ティエンくんは歩行器や手すり、壁を使った伝い歩きの練習をしている。ティエンくんが自立できるようになったのは繰り返しの運動により筋力が発達し脳を刺激したためだとマイ氏は分析する。歩行できるようになるにはまだ忍耐と時間が必要だが、必ず自分の足で歩ける日が来るとマイ氏。