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石鹸の品質もさることながら、ベン氏の商品の宣伝方法は当時としてはとても斬新だった。「ベトナム人はベトナム製の石鹸を」をスローガンに掲げ、商品ポスターだけでなく車両やサッカーのユニフォームにも広告を載せ、コマーシャルソングまで作ったのだ。さらに、社員を方々の雑貨店へ商品の売り込みに行かせた。次第に商品の認知度が高まり、広く使用されるようになった。
その後「バーおばさんの石鹸」はベトナムから飛び出し、ラオスやカンボジア、香港、アフリカ諸国へ輸出されるまでになった。1977年になると、「バーおばさんの石鹸社」は半民間企業へ経営形態を変え、社名を「ベトナム石鹸工場」に改称した。そして2004年に株式会社化すると、ベトナム化学グループが株式の62%を保有するかたちで「東方製造貿易株式会社」と再度改称した。しかし、2014年に同グループが資金回収をし、経営から完全撤退した。
時代の移り変わりとともにシャンプーやボディーソープなどの外国製品が輸入されるようになり、輸入品にシェアを奪われた「バーおばさんの石鹸」の製造が停止されてから1年以上が経った。