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寒天の3Dアートには寒天の調理、着色、デコレーション、仕上げの寒天コーティングの4つの工程がある。それぞれの工程を少しでも間違えれば、作品を本物の花々のように美しく仕上げることはできない。
まずはベースとなる寒天が固まるのを待つ。色付けに使う寒天は注射器でベースに注入するため、固まらないように一定の温度に保たなければならない。作業中に溶液が固まってしまった場合には溶液を熱湯につけて溶かしてから作業を再開する。
花々の色付けに成功するまでには幾度となく失敗したという。当初は果汁のみで色付けをしていたが、淡い色のため絵柄がぼんやりとしてしまっていた。試行錯誤の末にあみ出したのが、果汁にコンデンスミルクを混ぜて使う方法だ。調合した溶液を使うと色鮮やかで美しい花を描けるようになった。
ガーさんはかつて注射器と縁の深い職業に就いていた。国立獣医研究所の応用研究技術移転センターの研究員だったのだ。ある時、家族の1人が果物を好まず市販の寒天ばかりを食べていたことから、果物を使った寒天を作ろうと思いついた。それがきっかけとなり、寒天の3Dアートに目覚めたガーさんは研究員の仕事を止め、3Dアートの技術を磨いている。今では花々のほかに風景や人、鳥なども描けるまでになった。