(C) Dan tri 写真の拡大 |
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水子供養を始めた当初、二エムさんが胎児の亡骸を引き取りに、人工中絶を請け負っている民間の産科病院や診療所などを回ると、何かを企んでいるものと誤解され断られ続けたという。しかし、その後は徐々に二エムさんの活動に理解が示されるようになった。
医療施設からは信頼を得られるようになったものの、近隣住民からは奇異の目に晒された。「みんな私に何でそんなことをするのかって聞くのよ。私自身も何て返せばいいか分からないけど…良いのよ、言わせておけば」と二エムさん。今ではドイコック墓地に愛情を受けることなく去っていった赤ん坊たちが数多く眠っている。
二エムさんは、数日おきに胎児の亡骸を引き取りに回る。まだ辺りが暗い早朝3時半から4時ごろには自転車で自宅を出発し、日が昇る頃に帰宅する。亡骸は専用の冷蔵庫に保管するが、1週間もすると満杯になる。週末になると亡骸を納棺する。冷蔵庫が一杯になるのに比例して、墓地の隅には墓石用の石材が高く積み上げられていく。墓石はいずれも共同墓で、1基に2000~8000、御像の足元にある墓については3万の水子が眠っている。