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18人の子供を養うことは並大抵のことではない。生活が一番苦しい時には年長の子供たちに山へ筍や芋を採りに行かせて飢えをしのいだ。また1人では大勢の子供を管理しきれないため、学校のクラス分けのように年長者を中心に子供たちをグループに分けて互いに面倒を見させた。
方々で遊び回っている子供たちを家に戻らせるのも一苦労。食事ができると、ウオンさんは竹筒を叩いて慣らし子供たちに知らせた。それでも戻らない子供がいると手を口に当て大声で呼び掛けたという。
キエンさんは村の幹部となったとはいえ給与はすずめの涙ほどで、生活は依然として苦しかった。ウオンさんは日が昇る前から日が沈むまで、乳飲み子をおんぶして畑仕事に励んだ。
18人の子供はみんな無事に成長し、9人の娘たちは遠方に嫁いだ。9人の息子たちは集落に残り、中には村の幹部になった者もいる。今となっては賑やかな大家族で喜ばしいことも多いが、女手一つで18人の子供を育てるにはあまりにも苦労が多かった。その日の食事にも困る生活だったため、子供たちのために広い家を立てるようなこともできなかった。
そんなウオンさんは家族が集まると、ことあるごとに「子供は数人にしておきなさい。父さんと母さんみたいに子供が多いと苦労するからね」と子供たちに言い聞かせている。子供たちには苦労のない良い暮らしをして欲しいと願うウオンさんだが、暮らしを楽にするのに一番大事なことは子作りの「減速」がウオンさんの持論だ。