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このオンコップ橋の伝説はこうだ。まだ人と動物が互いに言葉を理解し合えた遠い昔、ミーズア山にはトラの群れが住んでいた。ある時、メスのトラが難産になり、夫であったオスのトラが山を下りてドンドー集落で産婆をしていた老婆の家の戸を破り、老婆を連れ去った。集落の人々は噂を聞きつけるも、ただ老婆の無事を祈るしかなかった。
ところが、メスのトラが無事に出産を終えるとオスのトラは老婆を山から帰したのだという。3日後の夜、トラはお礼に1頭のイノシシを老婆に届けた。
しばらくして老婆はドンドー集落を離れ、トゥイアン郡アンニンドン村ホンブー山のふもとにある沿岸の村で商いを始めた。老婆が亡くなってからは、旧暦の大晦日になるとミーズア山からビンバー川を渡って海の方へ老婆の墓参りに向かうトラの足跡が見られるようになったが、しばらくしてオスのトラも命尽きた。
その後、ドンドー集落の人々は寺を建て、大人しく妻想いのトラを祀った。橋がこの寺に直結していることから橋の名前もオンコップ橋と付けられた。現在、この橋や寺は国内外の観光客の観光スポットとなっている。