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(C)NVCC, VNExpress|19歳と20歳の誕生日 ホルモン使用開始 写真の拡大 |
ハーさんの恋は失恋に終わったが、自分に正直に生きたいという思いは日に日に大きくなっていった。テト(旧正月)に女の子たちが恋人に連れられスカートをひるがえして街を行くのを横目に、1人孤独に下宿にこもる。ハーさんはそんな自分を慰めるようにして女性らしい体になるべく女性ホルモンを使い始め、ワンピースを着て、化粧を施し、髪を伸ばすようになり、ミスコンテストに出場することを夢見るようになった。
外見の変化によりハーさんは就職活動でも苦労した。「どの会社も書類を見て私を男だと思っていて、いざ面接に行くとみんな首を横に振って不合格になったわ」とハーさんは語る。外見の変化で企業だけでなく古い友達たちもハーさんに背を向けるようになったが、性転換者や同性愛者など新しい友達ができた。
ハーさんにチャンスが訪れたのは2015年8月。ホーチミン市で美容整形クリニック主催のコンテストに出場したところ賞を受賞し、目・鼻・顎・肌などを含む3か月にも及ぶ整形手術パッケージの施術を受ける権利を得たのだ。ハーさんは整形手術により美しさを増し、身長175cm、体重58kg、スリーサイズ88-64-92という抜群のプロポーションになり、周囲の人々に優しく接してもらえるようになった。 その後、ハーさんは同性愛者の権利保護活動を行う非政府組織(NGO)「インフォメーション・コネクティング&シェアリング(ICS)」へ就職し新しい生活が始まった。