(C) vnexpress, Phuoc Tuan, チャウさんとゲイン橋(2011年) 写真の拡大 |
(C) vnexpress, Panoramio, かつてのゲイン橋 写真の拡大 |
同市ブウホア街区在住のボー・ホン・チャウさん(男性・89歳)もまた、幼少期の頃からゲイン橋に親しんできた。子供の頃、チャウさんはゲイン橋を歩いて渡ってビエンホアの学校に通っていた。また、祖父から橋の建設時の話もよく聞いていた。「橋が開通した日はお祭り騒ぎだったと祖父が教えてくれました。当時、橋や列車はとても珍しかったのです」とチャウさんは語る。
また、ゲイン橋のふもとにあるグエンチーフオン寺の近くに住んでいる人々にとって、ベトナム戦争が終結する直前の1975年4月に激戦から橋を守り抜いた日々のことは忘れられない思い出だ。「私たちの部隊は、橋を崩落させようとする敵の企てから橋を守りました。でも、この橋を守るためにたくさんの兵士が命を落としたのです」と、同街区在住のグエン・ティ・ライさん(女性)は教えてくれた。
同街区在住のグエン・タイン・フイさん(男性)は、「私にとって馴染み深い橋の橋げたが川に崩落しているのを目の当たりにしました。小さな頃は毎日、橋を通過する列車を見るため祖父と川岸まで行っていましたし、大人になってからも友達とよく川の周りをぶらぶらしていました。橋が早く再建されるよう願うばかりです」と話す。
数年前、ドンナイ省文化スポーツ観光局は、ゲイン橋を省級歴史遺産に認定するよう同省人民委員会に提案しようとした。しかしながら、意見聴取の段階で交通運輸省の同意を得られず立ち消えとなった。
また、ゲイン橋では2011年にも事故が起きており、交通運輸省はその後、橋の道路部分の通行禁止を決定した。これに対して同省人民委員会は、住民がビエンホア市と東南部地方ビンズオン省の間をバイクで行き来できる通路を残すよう、再び請願書を提出したという。