(C) vnexpress, Phuoc Tuan, チャウさんとゲイン橋(2011年) |
1904年1月14日、ゲイン橋の完成によりサイゴン~ビエンホア区間を結ぶ鉄道が開通し、程なくして毎日2本の列車が運行されるようになった。ビエンホアをほぼ並行して走っていた鉄道と国道1号線の2本の道は、省都からバウカー(Bau Ca)やチュアチャン(Chua Chan)山など閉ざされていた森の奥まで入り込み、天然資源の開拓にも貢献した。
「ドンナイ地誌(Dia chi Dong Nai)」(2001年、ドンナイ総合出版)によると、ゲイン橋の完成後、◇サイゴン~ビエンホア区間(1904年、71km)、◇サイゴン~スアンロック区間(1904年、81km)、◇スアンロック~ザーザイ区間(1905年、18km)、◇ザーザイ~ムオンマン区間(1910年、77km)、◇サイゴン~ニャチャン区間(1913年、408km)といった鉄道路線が次々に開通している。
ゲイン橋の完成によって鉄道の各路線が開通しただけでなく、フォー小島にとってはサイゴンやビエンホアとの交易も容易になった。以前は市場に行くために船で水路を渡っていたが、ゲイン橋が完成してからは牛車や馬車で橋を通過できるようになったのだ。それまでフォー小島は住民も疎らだったが、ゲイン橋の完成と共に住民も再び増え始め、今日まで発展を続けている。
2016年3月20日のゲイン橋崩落事故
ビエンホア市ヒエップホア村在住のレ・バン・チンさん(男性・80歳)は、 ゲイン橋が崩落したというニュースを聞き、橋のふもとのカフェから慌てて外に出た。橋げた2つがドンナイ川に崩落しているのを見て、チンさんは「橋が崩落してしまった!私の思い出が!」と叫んだそうだ。
チンさんの親戚はゲイン橋の建設に携わった1人で、建設に使われた3つの石材が今でも家の軒先に置いてあるのだと教えてくれた。